常州駅そば巡りツアー

  いきなり美味そうな写真から失礼。前日の土曜日に両親を羽田空港まで送り(渋滞が酷く、代々木駅で降ろすハメになったのだが)、翌日曜の夜にまた羽田に迎えに行く。これを条件に、土曜の午後から日曜の夕方までは自由に車を使えることになった。となれば、駅そば探訪の旅の始まり始まりである。
  土曜に神奈川県内を2軒巡り、夜のうちに都心を抜けて国道6号をひた走る。途中、恋瀬橋ロードパーク(茨城県石岡市)で車中泊。その折りに、ロードパークに併設されていたラーメン店で食べたのがこの「ネギ味噌ラーメン」。そばほどではないけど、ラーメンも大好きです!
  一夜明けた「恋瀬橋ロードパーク」。国道6号には道の駅があまりない(都心から行くと、福島県の「ならは」まで皆無)なので、このようなちょっとしたパーキング施設が重宝する。トイレは完備しているし、ラーメン店も併設されている。国道6号の茨城県内には、このようなパーキングが3〜4カ所ほどあるので、うまく使い分けたい。どのパーキングにも、トイレとラーメン店は付帯しているようです。
  こちらが「恋瀬橋ロードパーク」付属のラーメン店「グー」。値段は決して安くはありませんが、味はまずまずで、量がとにかく多いです。1杯できちんと満腹になります。そして、店主が面白い。私は独りで一番奥の座敷席で食べていたのですが、わざわざ寄ってきて話しかけてきます。カウンター席の客に話しかけるならまだしも、一番奥の座敷にまで話に来るとは、相当な筋金入りですね。それも、第一声が「お腹いっぱいになりましたか?」。ボリューム感を重視している店のようです。
  では、いよいよ常州駅そば巡りを開始しましょう。まず最初にやってきたのは、JR常磐線と茨城交通湊線のターミナル駅、勝田。西口に車を乗りつけたとき、やけに新しい駅舎を見て「ありゃ、こりゃ駅そばはないかな」と思った。近年、駅舎改築と同時に駅そばが撤去される例が多いのだ。
  しかし、駅そば「大丸」は無事に営業していた。東口階段下で、ひっそりと。店に入ると、店員がおらず「しばらくお待ちください」と書かれた貼り紙が出ていた。自販機で食券を買い、待つこと15分。ようやくおばちゃんがやってきて、調理開始。なんとものんびりしたムードの店である。
  たぬきそば納豆乗せ@460円。刻み海苔が入るのがこの店の特徴で、これは普通のたぬきそばにも入る。また、写真を見るとなんとなく「つゆが少ないかな」という気がするかもしれないが、これはわざとそうしているのだそうで。でないと、納豆がばらけてしまい、見た目があまり良くなくなってしまうのだとか。「もしもっとつゆが欲しかったら、言ってください。足しますから」とのフォロー付き。
  続いて、茨城交通湊線沿いを走り、那珂湊駅へ。旧那珂湊市(現ひたちなか市)の代表駅だから、それなりに栄えているだろうと考えていたのだが、残念ながら完全な田舎駅だった。それでも、一瞬、駅舎左の建物が駅そばかなと思ったのだが、これは自販機コーナーだった。無念なり。
  水戸駅は車で寄るにはちょっと不便(停めづらい)ため、パスして、次に目指したのは友部駅。友部は「市」ではなく「町」だから、駅前は割と寂れているのだが、しれでも常磐線と水戸線のターミナル駅だから、利用者は結構多い。利用者が多ければ、駅そばがある確率も高いというもの。プレハブ造りの仮駅舎に辟易しつつ、ロータリー周辺に目を馳せると……。
  ありました! 駅を出て左すぐに、「華月庵」。友部駅はターミナル駅ということで、乗り換える人は多いけれど改札を出入りする人はそれほど多くない。だから、駅そばも改札内にあった方が多くの客をとれるはず。普通、このような駅の駅そばはホームにあるものだ。にもかかわらず駅の外にあるのは、現在駅舎が改築中だからだろうか。それを物語るように、この店では「車内持ち込み用容器」を販売していた(20円)。普通、この容器を扱うのはホームの店舗くらいなのだが。まさかここで持ち込み容器に入れてもらい、手に持って改札を通り、階段を下りて電車に乗るという人はあまりいないと思うのだが。
  ともあれ、ここで天そば(380円)をゲット。そばの写真は撮り忘れました。
  話がちょっと前後するが、勝田駅でそばを食べているときに会社から電話があり、夕方に会社に行かなければならなくなってしまった。本当は、もう少し茨城県内の駅を巡りたかったのだが、ここからは東京に帰りつつの駅巡りになる。まずは、JR水戸線の中核駅・笠間。笠間稲荷と笠間焼きで有名な街の代表駅だが、ご覧の通りの田舎駅。駅そば、当然ありません。
  続いて、同じくJR水戸線の岩瀬駅に立ち寄る。笠間があんな状態だったので、こちらもそれほど期待していなかったのだが、やはりというか、田舎駅。笠間よりもさらに寂れていました。駅そばはナシ。それどころか、商店の類もかなり少ないです。
  水戸線結城駅および下館駅には駅そばがないことを知っていた(以前に巡ったことがある)ので、少しショートカットして関東鉄道石下駅へ。ここにも駅そばはなく、空振りに終わりました。関鉄でいうと、水海道と守谷は実食済み、下妻には駅そばがあることを知っていたのだが、これは大日本記旅行で立ち寄るようにしたかったという事情があり、パス。その結果、空振りが続くことになってしまった。
  JR東北本線古河駅。ここが、茨城県最後の砦。ここを逃すと、もう埼玉県に入ってしまう。古河駅はかなり大きいので、期待は大きい。しかし……。
  東口ロータリーにあった「つばめ」という駅そば、閉店済みでした。少し時間が遅かったか。昼時に間に合えば開いていたと思う(今日営業していた形跡はあったので)のだが。そしてもう1軒、お馴染みの「喜多そば」があったことはあったのだが、改札の中……。車で巡ると、改札内の店舗には手が出せない。わざわざ入場券を買って食べるのも癪なので、これはまた次の機会ということに。
  埼玉県に入っても、空振りは続く。写真は撮らなかったが、東武伊勢崎線鷲宮駅、そして写真のJR東北本線東鷲宮駅。続けて駅そばナシ。栗橋駅に寄るか、東鷲宮駅に寄るかで迷ったのだが、栗橋にしておけばよかったか。栗橋にしても、駅そばがあるという保証はないのだが……。
  諦めかけて、「最後にもう1駅」と寄ったのが、東北本線白岡駅。ここでダメなら、もう時間的にも無理だし、後はわざわざ車で巡らなくても電車で気軽に行けるエリアに入ってしまう。ここを最後と決めて、一縷の望みを託したのだった。
  すると! 西口階段下に、お馴染み「笠置そば」が! 笠置はもう何度も食べているチェーンで、目新しさはないのだが、それでもそばにありつけたというだけで充分に嬉しかった。なにしろ、笠間・岩瀬・石下・古河・鷲宮・東鷲宮と、6駅続けて空振りした後だったわけだから。地方を旅していると、6駅7駅くらい続けてハズレを引くことも珍しくはないが、今日1日しかないと分かっている中での6連続ハズレはさすがに堪える。
  最終的には、10駅巡って3軒ゲットということになった。打率.300だから、まずまずだろうか。地方へ行くと、2割を切ることもあるくらいだから。
  おまけ。というか、これが今回のお出掛けの本来の目的なのだが。羽田空港です。東京に戻って、会社で15分ほど仕事をして、それから羽田へ。ちょっと早く着きそうな感じだったので、環八通りで路駐して少し仮眠し、それから空港へ。駐車場代もバカにならないので。
  これ、羽田空港駐車場の「事前精算機」。ここで精算すれば、出るときにまるでETCのようにゲートが開いてくれるというもの。でもね、これ、ちょっと微妙。15分のサービスタイムがつくとはいえ、使い方によっては損する可能性もある。例えば、35分間停めたような場合。駐車場代は30分200円だから、35分だと400円になる。15分のサービスタイムがついても、50分400円の計算。出るときに精算すれば、60分までは400円だから、10分ぶんの差が出る。
  逆に、55分で精算するような場合は、事前精算の方がお得。15分のサービスタイムを加味すると、70分で400円になるから。出るとき精算だと、70分では600円になってしまう。ま、こんな細かいことを気にするのは、私のような貧乏人だけなのだろうけど。


戻ります。