夜行強行間山温泉ツアー

  夜行日帰り下道550km走行の旅は、JR中込駅(長野県佐久市)の送迎用駐車場で夜を明かしたところから中継を開始します。私はこれまで、もっぱら道の駅を仮眠地に選定してきましたが、ここのように「そこそこ大きい駅」というのも、実は結構便利です。無料の駐車場があり(「30分以内」などと制限していることが多いですが、深夜なら見逃してもらえるでしょう)、トイレがあり、飲み物の自販機も完備しています。大きすぎる駅は駐車場が有料で周囲がうるさいし、小さすぎる駅ではトイレも自販機もないことが多いので、その辺はよく考えなければならないところですね。
  中込駅前のプロムナードでは、鯉のぼりがたくさん泳いでいました。鯉のぼりって、風が凪いでいるとただの「メザシ」に見えてしまいます。
  間山温泉に着くまでは、駅そばを巡りながらの旅になります。中込駅、佐久平駅、小諸駅とスカを食い、やって来たのは上田駅。長野新幹線の開通で、ずいぶん立派な駅舎になってしまいましたね。立派になったぶん、旅情が半減してしまったように感じるのは私だけでしょうか。
  私、以前にこの駅の「おぎのや」では食べたことがあるのですが、今回はお城口階段下の「そば処 ちくま」を攻めます。
  「そば処 ちくま」の店舗写真は「全国駅そば選手権」に掲載しているので、そちらを参照してください。この店、基本的にはお高いお店なのですが、3種類だけ「駅そばメニュー」を用意しています。私は、「駅天」にチャレンジしました。丼が小さいわりに麺がたくさん入っていて、お腹いっぱいになりました。ちなみに、高いそばは生麺注文後茹で、駅メニューは茹で麺です。
  お腹いっぱいになったはずなのに、まだまだ駅巡りが続きます。屋代から長野電鉄沿線に入り、須坂でスカを食った後、やって来たのは信州中野駅。全線中、長野に次ぐ規模の、大きな駅です。しかし、この駅にも駅そばはありませんでした。ローカル私鉄に駅そばを望むのは酷なのでしょうか。改札も手動だし。
  信州中野駅から間山温泉までは、クネクネ曲がった県道で7kmほど。盆地の中に半島状に突き出た山並みの中腹にあります。付近一帯は間山温泉公園として整備されており、メイン施設が日帰り温泉です。ここが「証城寺の狸囃子」(しょ、しょ、しょーじょーじ……)を作曲者した中山晋平の故郷ということで、「ぽんぽこの湯」と名付けられています。入口前ではたぬきの置物が暖かく出迎えてくれます。また、中野西高校の生徒達がジャージ姿でトレーニングしていたのですが、入館者に気持ちよく挨拶していました。素晴らしい教育を受けているなぁと、ちょっと感動しました。
  入館料は、350円。大広間は別料金で、休憩込みだと500円になります。それでも、安いですね。
  この温泉の売りは、とにかく露天風呂からの絶景です。浴室にカメラを持ち込むわけにはいかないので、ここでは大広間からの眺めを掲載しておきます。季節が春だったのが残念なところですね。遠くに霞がかかり、写真になるとほとんど消えてしまっています(肉眼ではそれなりに見えました)。中央にうっすらと写っているのが、黒姫山(左)と妙高山(右)。右手前のなだらかな山が斑尾山です。
  ちょうど夕陽が黒姫山の上あたりに沈むということだったので、朝10時に入館してから夕方7時くらいまで粘り、落日の瞬間を見届けることにしました。が、太陽が傾くにつれて稜線付近に雲が現れ始め……。今になって思うのは、落日まで粘ったのなら、もう少し頑張って中野市街の夜景でも眺めればよかったなということですね。
  少し話が前後しますが、落日までの間に何をしていたのかというと、喫煙所の外で燕が巣を作っているシーンを鑑賞していました。燕、カッコイイですよね。本当に尻尾が音叉のように二俣になっているんですね。昔は東京でも日常的に見られた鳥ですが、珍しく思えるほどになってしまいましたね。
  もう一つの時間つぶしは、「ひたすら食べる」。入館から退館まで9時間あったわけですから、心おきなくビールが飲めました。ガブガブ飲みました。それから、特製手打ちざるそばセット(1000円)を食べました。どこへ行っても、そばばかり食べていますね。我ながら感心するやら、呆れるやら。
  このそば、かなりいけます。普段駅そばばかり食べているからかもしれませんが、コシと風味がすごいです。それから、付き物の天ぷらも◎。普通、天ざるだと、どんなに山深いところで食べてもエビ天なんかが入っていてげんなりしてしまうものなのですが、ここは100%山のものだけでまとめてきました。アッパレです。特に美味かったのが、ふきのとうですね。あと、謎の木の葉(^^; の天ぷらも青味が程良くてよかったです。
  間山温泉を出たのが19時で、一応その日のうちに帰らなければならないわけですから、帰り道はかなりハードでした。とにかく距離的に近い道(R406→144→145→353)を選び、飛ばします。途中、にわか雨に降られてペースが落ちましたが、どうにか22時に前橋に到着。「高速使えよ」と言われればそれまでなんですけどね、使いたくないんです。なぜとかどうしてとかいうことではなく、ポリシーなんです。
  小腹が空いたので、群馬名物「おおぎやラーメン」でネギ味噌ラーメンを腹に入れました。このチェーン、味が濃くて私好みです。


戻ります。