風雲告急再取材ツアーU

  再取材の第2弾は、品川駅から始まります。やはり、夜明け前の出発。目当ては、日本を代表する「変わりダネ駅そば」を擁する、姫路駅。
  この時間にはまだ「みどりの窓口」が開いていないので、とりあえず近距離切符を買って乗り込みます。そして、途中で車内精算したのですが、かなり怪訝な顔をされました。今時、東京から姫路まで鈍行で行く人なんていないんでしょうかね。
  腹が減っても戦はできるが、100%負ける。というわけで、富士駅で朝食タイム。駅そば「富陽軒」の天ぷらそば。人が少ない身延線のホームにあるこの店、閑古鳥が鳴いています。おまけに天ぷらも形が崩れてしまっています。先行き、大丈夫でしょうかね。以前に、この店では富士宮名物の「焼きそば」を扱っていると聞いたことがあるのですが、見あたりませんでした。
  続いて、乗り継ぎとなる浜松駅でも駅そば「自笑亭」に入ります。うっかりしていてそばの写真を撮るのを忘れてしまったので、食券販売機の写真を。メニューごとに色分けされているのですが、出てくる食券は何も書かれていないプラ板。色だけで識別しているようです。このタイプ、懐かしいですね。
  一気に姫路駅までやってきました。この駅の山陽本線は今年3月にホームが高架化され、それに伴って駅そば「えきそば」もリニューアルしています。以前は露出店だったのですが、ちゃんと囲いがつきました。集客力倍増ですね。
  店内には、こんな貼り紙が出ています。ここの「えきそば」は、他の駅そばとは一線を画するものであるということが書かれています。見た目には「そば」に近い商品ですが、起源を辿るとうどんが変化したものということですね。
  昭和24年当時、丼つきで50円ですか。結構高価なものだったんですね。丼つきなんて、「おぎのや」の峠の釜飯みたいですね。
  この店では、タイムサービスを実施しています。14〜17時には、天orきつねが250円になります(通常は330円)。お得! お得!
  タイムサービス時には、こちらのボタンを押して食券を買いましょう。ちなみに、「えきそば」ではなく普通のそば(「和そば」という)もあるのですが、割高(20円増)で、しかもタイムサービスの対象にはなりません。せっかく全国的に有名なものを扱っているのですから、旅人は迷わず「えきそば」を食べるようにしたいものです。
  これが件の「きつね駅そば」。麺が見事に白いですね。白というか、微妙に黄色がかっています。中華麺というと「ラーメン」を想像するところですが、食べた感じとしてはラーメンよりも昔の給食の「ソフト麺」のようなイメージです。不思議と、純和風の出汁に合っています。美味しいです。
  食事中の方、ごめんなさい。いきなりトイレの写真です。本懐を遂げた私は、大阪・京都方面へ向かいます。その列車(新快速)内のトイレが、これ。洋式ですよ。びっくりしました。列車内のトイレ、、私は以前には「これほど屈辱的な空間はない」と思っていたものですが、印象が一変しました。出入口も自動ドアです。
  だいぶ暗くなってきましたが、新大阪で道草を食います。東海道本線ホームの端っこにある、「杵屋」。この店、街なかにあるうどん専門店と認識していたのですが、駅ホームにもあるんですね。しかも、そばも扱っています。帰ってから調べたところ、ホームにある「杵屋」は全国でここ1店だけ(下りホームにある店を含めれば2店)、そばを扱っている「杵屋」もここ1店だけのようです。
  「杵屋」のメニュー表です。「かけ」に相当するメニューが「さぬき」という名になっています。そばも扱っているとはいえ、やっぱりうどんがメインなんですね。「そば」よりも「うどん」の方が先に書かれているし。
  「杵屋」のきつねそばでございます。天かすが入っていますが、これはフリートッピングとしてカウンター上に置いてあるものです。普通のそばに見えますが、実はこのきつね、2つ折りになっています。広げると、丼からはみ出す大きさです。豪快です。また、麺は生麺。麺を茹でるお湯に「麩」がたくさん浮いていたのが印象的でした。風味づけのためなのでしょうか。
  帰りの便までまだ時間があったので、これまで降り立ったことがなかった大津駅で降り、街を散策します。写真は、京阪の浜大津駅。JR大津駅から徒歩15分くらいのところにあります。JR大津駅前が割と寂れているなと思ったら、市街の中心は浜大津の方だったんですね。路面に軌道敷が見えますが、これは京阪電車の線路です。普通、路面電車というと単コロですが、大津を走る路面電車は4両くらい連なっています。4両編成の列車が路面を走っていると、壮観というか、少し怖いくらいですね。
  続いて、夜の京都を散策。変に時間が空いてしまったので、京都駅をスタートして烏丸御池駅まで歩きました。写真は、四条駅周辺の街並み。当然、「駅そばはないかな〜」と思いながら歩いていたのですが、発見には至りませんでした。というか、京都って、あまりチープな外食処がないですね。特に酷いのが京都駅周辺で、明るいうちになんとかしておかないと、兵糧責めに遭います。京都駅周辺では、コンビニすら貴重品です。
  闇夜に浮かび上がる京都タワー。すでに閉館していて上ることはできませんでしたが、奇妙なくらいに明るく、夜空に突き刺さっています。写真はありませんが、京都タワーの地下(3階)には銭湯があるんですね。入浴料750円ということでちょっと高い感じですが、立地としては非常に便利。営業は7〜20:30。温泉ではないようですね。
  翌朝9時までに写真を編集部に送らなければならないので、コイツで高速をかっ飛んで帰ってきました。京都駅前→池袋駅、8180円。鉄道(鈍行)並の値段で、締切に間に合う唯一の手段でした。もっと安い高速バスもあったのですが、なにしろ急な話で、予約が取れませんでした。
  でも、阪急(西武と共同運行)バスの夜行高速、なかなか良かったです。3列独立シートでトイレつき、お茶とコーヒー飲み放題、毛布・フットレスト付き、使い捨てスリッパも用意されています。暗闇の中で携帯をいじっているマナー知らずな乗客が多いので、アイマスクもあるとなお良かったのですが……。


戻ります。