倉庫33:名南強硬漫歩ツアー

  東京駅。東海道本線の始発は、05:10静岡行き。これは、前夜に大垣を出るムーンライトながらの折り返しになる。つまり、4列シートでリクライニング可。18きっぷでこういう車両に乗れるのは本当にありがたい。ただし、ファンの多くはこのことを知っているので、結構混雑する。東京駅で乗れば問題ないが、品川以西で乗ろうとすると座れない可能性もある。座れたとしても、窓際は無理。
  窓際に座れたからそのまま静岡まで乗っていこうと思っていたのだが、よりにもよって隣に関取のようなむさ苦しいヤツが乗ってきて、狭いし汗くさいしで最悪な状況になった。そこで、敢えて沼津で降り、朝食をとることにした。
  ホームの「桃中軒」がまだ開いていなかったので、駅を出て周辺をブラブラする。すると、発見しました。ロータリーをちょっと出たところに、「ぷらっと亭」なる立ち食いそば。
  この店、桃中軒の関連店舗であるようだが、味覚的特徴はだいぶ異なる。視覚的に面白いのは、ネギ。白ネギと青ネギを、意図的に両方盛りつける。白ネギ地域と青ネギ地域の境界近くの店舗ならではの取り組みかもしれない。
  その後は細かく列車を乗り継いで、名古屋へ。ちょうど昼時になったので、ここでも月見そばをいただきます。入ったのは、2・3番ホームにある「どえりゃあ亭」。面白い店名。なにが「どえりゃあ」なのかというと、月見そばなのに見た目にはたぬきそばにしか見えないということか。玉子が薄〜く茹だって白くなっているうえ、揚げ玉がサービスされるものだから。ちなみにこの揚げ玉、全メニューに入るというわけではない。おそらく、月見だけ。品書きにもちゃんと「揚げ玉入り」と書かれていたので。
  名古屋駅から、漫歩開始。名古屋の駅ビル、すごいことになっています。超高層のツインタワー。1999年に完成した、名古屋の新しいランドマーク。モダンな雰囲気たっぷりなんだけど、個人的には昔の役所庁舎のような駅舎の方が好きでした。
  名古屋駅から、繁華街の栄までは、歩いて20分ほど。地図や鉄道の路線図を見るとよく分かるのだが、名古屋駅というのは、名古屋市の中心からだいぶ外れたところにある。駅に依存して街もだいぶ発達はしているのだが、実質的な中心地はやはり栄。お馴染みのテレビ塔も健在です。テレビ塔周辺は公園整備されていて、落ち着いた良いムードになっています。青テントの類もほとんどありません。公園の外でも、ホームレスの姿はほとんど見当たらないですね。愛知県の一時的な経済的好況は峠を越えたようですが、それでも、東京や大阪よりはだいぶマシなのかなぁ、と感じます。
  テレビ塔の足元というか真下には、うどん屋さんがあります。入らなかったけど。なんか、意外。喫茶店とか、お洒落な雑貨屋さんがあるっていうのなら頷けるけど、うどん屋さんのイメージにはほど遠い。
  栄から鶴舞方面へ歩く途中、丸田町の高速高架下で、ちょっと面白い噴水を発見。写真にすると全然面白くないのだが、生で見ると面白い。レンガで覆われた噴水台がいくつも並んでいて、今、左端の噴水台から噴水されて右隣の噴水台に着水している。この後、間髪を入れずに右の噴水台から水が上がり、さらに右奥の噴水台に着水する。つまりね、水が噴水台から噴水台へ、ジャンプしているように見えるわけ。ハデさはないけれど、思わず顔がほころんでしまう仕掛け噴水だ。
  名古屋市営地下鉄桜通線から、難読駅を2つ紹介。まったく読めないわけではないけれど、知らない人はまず間違いなく「ごきしょ」と読んでしまうだろう。ちなみにこの駅は、桜通線と鶴舞線が交差する、地下鉄の要衝。
  こちらに至っては、まったく読めない。無理に読むなら、「しんずいばし」か。どうして「瑞」の字を「たま」と読めるのか。それが不思議。こちらも御器所同様、桜通線と名城線の乗換駅。どちらも重要な駅なので、名前を聞く機会くらいあるかも。すんなり読めれば、名古屋人に「おっ! コヤツ、できる!」と思われるかもしれない(^^;
  桜駅から先は名鉄本線に沿って歩く。名鉄の赤い列車、雰囲気いいですね。個人的には、阪急の臙脂色、京阪の黄緑に次いで、好きなカラーです。ただ、この頃には雨が降り出して、しかも徐々に強まってきていました。本当は有松駅まで名鉄に沿って歩こうと思っていたのですが、鳴海駅で断念。
  鳴海は急行停車駅で駅舎もかなり大きいですが、付近の街並みはそれはそれはショボい。この街にこの駅が必要なのかな、と思ってしまいます。それとも、今後大きな発展が望める地域なのでしょうか。
  帰りに、豊橋駅「壺屋」でかけそばを食べたので、ついでに写真を載せておきましょう。もう、何回も紹介している店ですけどね。かけそばなのに、刻み揚げがたっぷり入り、見た目に豪華です。18きっぷ旅だと、豊橋で乗り継ぎになる可能性がかなり大きいので、今後もこの店で食べる機会が多いと思います。仲良く付き合っていきましょう。
  最後に1枚。豊橋駅改札外にて。2月の10・11日に、鬼祭りなるお祭りが催されるみたいですね。駅には、しばしばこのような地域の祭りや催し物の宣伝・告示が出ています。こういうのを見るだけでも、情報収集という意味でも有益ですし、なんだか祭りに参加したような錯覚さえ覚えます。
  乗り継ぎや乗り換えの際には、時間的に余裕があるようなら、一度改札を出てみるといいかもしれません。単に列車を乗り継ぐだけの旅よりも、地域の特性に触れる旅の方が、確実に楽しいですからね。


戻ります。