倉庫51:春を求めて松原湖ツアー

  関越道→上信越道と走り継ぎ、戸倉駅の駅そば「かかし」を攻めるも定休日で、失意のもとに立ち寄った別所温泉「石湯」から中継開始。
  別所温泉へ行くのは初めてなのですが、なかなか雰囲気のいい温泉街が開けています。150円で入浴できる共同浴場も3カ所あります。こぢんまりとしていますが、空いてさえいれば源泉かけ流しの良質の湯を満喫できます。ご覧のとおり、先客ゼロだったので、満足度100%。朝イチを除く午前中から夕方前までの時間帯が狙い目です。
  温泉街は、こんな感じ。車が通れない狭い路地に沿って、土産物店や食事処がひしめいています。一番奥には、温泉街に付き物の温泉寺も。施設が充実した日帰り温泉施設もいいですが、歴史のある温泉街にはじっくりと歩いて巡る楽しさがあります。
  戸倉「かかし」で食べられなかったこともあって、温泉街の蕎麦店「だるま」で冷やし山菜そば(大盛り)をいただきました。まぁまぁ美味しかったのですが、正直、私はこのようなぶっかけタイプの冷やしそばはあまり得意ではありません。つけつゆのもり系を想像して注文したので、ちょっと残念でした。
  小諸から国道141号を南下して、懐かしい小海へ。ここを訪れるのは、2006年8月以来、約5年ぶり。
  写真は、松原湖の脇っちょにある小さな湖・長湖。ワカサギ釣りで有名な湖のはずなのですが、荒れ果てていました。桟橋は壊れているし、湖岸の園地も草ぼうぼうだし。
  こちらが本日のお宿。松原湖畔にある「ファミリーロッジ宮本屋」です。ここに泊まるのは、3回目。1回目は2005年(倉庫4参照)、2回目は2006年(直後にPCトラブルがあり、記憶倉庫には入っていません)。
  同じ宿に3回も泊まるなんて、私にとってはたいへん珍しいことです。新規開拓魂が強いので。
  ここに3回も泊まる理由は、とにかくこれ。食事の良さです。2食付き7350円(割引券使用)というリーズナブルな価格なのに、山の幸が食べきれないほど出てきます。この日出された中で一番美味しかったのは、天ぷらの盛り合わせ。ふきのとうがピカイチでした。GW前でふきのとうが採れるのですから、東京よりも1カ月以上春が遅いんですね。
  とにかく、「部屋はどうでもいい。温泉も要らん。メシだけは豪華に」という一点豪華主義の方にピッタリの宿です。
  一夜明けて、2日目。朝食前の腹ごなしに、松原湖一周の散策に出かけます。これは、前回と同じパターン。宿のすぐ前に湖があって、ほんの1時間くらいで一周できますのでね、好適なんです。あいにく雲が多い空模様でしたが、時折雲の隙間から八ヶ岳が望めたりして、快適な散策でした。
  ところが、対岸の方まで来ると、様子が一変します。あちこち大木がなぎ倒されていて、地滑りが起こったようになっています。湖岸の遊歩道も、一部通行止め。宿の主人に聞いたところ、昨年の夏に「今まで見たことがない」ような雹が降り、大きな被害が出たのだそうです。
  宿に戻り、朝食を済ませた後、主人の勧めで山菜採りに出かけたのですが、写真がないので簡潔に。1時間ほどで、野甘草、浅葱、ふきのとうを、それぞれビニール袋いっぱい、採りました。もちろん、持ち帰ります。もちろん、無料で。春を求めて来たのですが、両手に余る春を持ち帰ることになるとは思ってもみませんでした。嬉しい誤算!
  帰りがけに、昇仙峡に立ち寄ります。朝イチの湖畔歩きに続いて、こちらは峡谷歩き。歩くの、好きなんですねぇ。
  湖畔には湖畔の、峡谷には峡谷の良さがあります。特に昇仙峡は見所が多く、時間をかけて歩くのがいいでしょう。写真のように、遊歩道の頭上に大きく岩が迫り出したような場所も。
  昇仙峡のハイライト、仙娥滝(せんがたき)。正面から全体を眺めることもできますが、逆光で写真が真っ黒になってしまったため、この写真を。鮮やかな虹が出ています。
  遊歩道はこの先で階段になり、滝の上に出られます。滝を上から眺める(要するに、川が突然途絶えているように見える)こともできます。
  昼食(甲府名物のB級グルメ・鶏もつ煮を食べましたが、写真がありません)を済ませた後、ロープウェイに乗って、山頂へ。料金は、往復で1000円。片道だと550円。「下りは歩こうかな」と思う人もいるかもしれませんが、結構な標高差があって、しかも登山道はあまり整備が良くないので、歩くのは大変です。
  ちなみに、山頂にも売店や食堂、自販機などがありますので、手ぶらで上がっても大丈夫です。
  山頂駅から歩いて3分ほど、うぐいす谷からの眺め。「甲府盆地、手中にあり」ですね。ちなみに、ここからは日本の高峰1位(富士山)、2位(北岳)、4位(間ノ岳)の三山を一望できるとのこと。駅からすぐですが、そこそこ足場が危険なので、両手を使えるスタイルで行った方がいいです。
  富士山遙拝所から眺める、傘雲を被った富士山。結構大きく見えます。
  ロープウェイに乗ってきた人のうち、半数くらいはうぐいす谷と富士山遙拝所だけを見て帰ります。もう半数は、うぐいす谷とは反対の方向へ徒歩5分ほどのところにある展望台で踵を返します。しかし、私はまだ帰りません。展望台の先、さらに山道を10分ほど歩き、岩場を登った先にある弥三郎岳山頂を目指します。頂上付近は大きな一枚岩なので、登山道も写真のように岩場を削って階段状にしたものになります。狭くて、結構急です。鎖場もあります。トライするのなら、運動靴等で。
  これが、山頂の証。ここまで辿り着かないと、私は気が済まないのです。標高、1058m。
  ご覧のとおり、山頂はドーム型の1枚岩です。地球が丸く見えるのと同じような弧を描いて見え、気分爽快です。ただ、本当に岩がお椀型をしているので、あまり淵の方まで行くと滑り落ちてしまいます。「しゅっちゅう転落事故が起きているのではないか」と思えるような場所です。行くときには、くれぐれも足下に注意を。
  ロープウェイで降り、路線バスで駐車場へ戻ります。昇仙峡は見所が広範囲にあるため、「行きはよいよい帰りはだるい」になりがちです。その場合には、路線バスが便利です。あまり本数は多くありませんが、3つある公営駐車場すべてに停車します。昇仙峡滝上(ロープウェイ駅付近)からグリーンライン昇仙峡(県営駐車場)まで、160円でワープできます。ちなみに、昇仙峡滝上から甲府駅まで乗っても870円。案外リーズナブルです。


戻ります。