大魔神引退式ツアー

  「ハマの大魔神」こと、横浜ベイスターズの佐々木主浩投手が現役引退のセレモニーを開くということで、友達と横浜スタジアムまで行ってきました。
  関内駅を出た時点で、すでにこの人混み。いきなり、大魔神の人気の高さを思い知らされます。
  駅前には、出店も出ていました。お祭り騒ぎですね。駅構内にも、シュウマイで有名な「崎陽軒」の出店も出ていました。球場内で買うと高くつくからでしょうか、どの出店も人気です。ただ、写真の「ビール」ってのは、さすがに球場内で買った方がいいと思います。ぬるくなっちゃうから。そう考える人が多いようで、ここだけはそれほど人だかりができていませんでした。
  16:15の約束で待ち合わせをしていたのですが、ツレがなかなか来ないので、関内駅前で催されていたジャズ・プロムナードなどを見学して時間を潰します。この催し、アメリカ・ニューオーリンズのハリケーン災害へのチャリティー企画のようです。出演者は若い人(大学生?)でしたが、なかなかの腕前でした(私はジャズにはあまり詳しくありませんが)。
  ツレと合流して、いよいよ横浜球場になぐり込み。横浜球場は、関内駅から徒歩3分、街なかにあります。外野席が狭く、よく場外ホームランが出ることで有名な球場ですが、実は結構危険だったりします。
  1塁側(横浜サイド)は入れそうもなかったので、3塁側に陣取ります。今日の対戦相手は、在京球団のヤクルトスワローズですが、3塁側もビッシリと横浜ファンで埋まっていました。ヤクルトファンは、レフトスタンドだけですね。内野自由席は、1500円です。以外に安い気が。
  試合後にセレモニーがあるということで、今日は17時プレイボール。私たちが球場に着いたのが16:45くらいでしたから、着いたらすぐに始まった、という感じでした。ちょっと慌ただしかったです。
  試合は、まるで大魔神の気持ちが乗り移ったかのように、横浜のワンサイドで進みます。村田選手が先制3ランをかっ飛ばし、その後も犠牲フライやタイムリーが続き、8−1と大量リード。
  写真は、5回裏が始まる前の、チアガールによる横浜応援。帝京大学のチアリーダーチームです。1塁側でしかやってくれませんでした。3塁側にも横浜ファンがいる(私は別に横浜ファンというわけではありませんが)のだから、「3塁側にも来てくれよ」とも思うのですがね。
  迎えた9回。セーフティリードだからでしょうか、岸本選手という、名前も知らないピッチャーを出してきました。しかし、無難に2アウトをとったところで、いきなりマウンドを降ります。あと一人でゲームセット。ま、まさか、この展開は!
  場内アナウンス。「選手の交代をお知らせします。ピッチャー、岸本に変わりまして……
  クルーン」
  ……。
  ……。
  ……。
  本来なら、これはものすごいファンサービスです。セーブがつかない場面でクルーンを出してくるなんて、あり得ないことですから。
  しかし、ファンの間からは溜息が漏れていました。「佐々木」という展開を期待していたんですね。佐々木は「チームがAクラスを争っているのだから、記念登板はしない」と明言していましたから、貫いたのでしょうね。
  今日のクルーンは最高急速157kmでしたが、一人目のバッターのバットをへし折り(でもヒットになった)、2人目をショートゴロに押さえてゲームセット。3球くらいで終わったように思います。どうせなら、1イニングクルーンに投げさせてほしかったなぁ……。
  ゲーム終了後、いよいよ真打ちの登場です。スコアボードには1998年10月8日(横浜が38年ぶりの優勝を決めた日)の選手名がズラリと並び、そして場内アナウンス。
  「ピッチャー、阿波野に変わりまして、佐々木」
  泣かせる演出ですね。
  佐々木、リリーフカーに乗って登場です。私、ベイスターズの試合を生で見るのは初めてですから、当然佐々木の登場シーンを見るのも初めてです。球場側の演出もあって、本当にこれから投げるんじゃないかというような雰囲気が漂っていました。
  マウンドに上がり、関係者から花束の贈呈。横浜エグゼクティブ・アドバイザーの石橋貴明も花束を渡していました。何かやってくれるのかなと期待しましたが、普通に渡しただけでした。そして、息子さんからも、花束。ファンの中には、早くも感極まって涙している人がいました。
  そして演説。
  「生涯野球人であることを誓って、引退の挨拶とさせていただきます」
  そう言った瞬間、私の後ろの席の人が「芸能界行くなよー!」と叫んでいました。それに続いて、「K−1行くなよ!」と叫ぶ人。見事に周囲のウケをとりましたね。ちょっと妬みました。
  演説を終えて、球場内を一周します。ところが、佐々木、リリーフカーに乗りこみました。そのまま、3塁側から回っていきます。え? 歩いて回るんじゃないの?
  そう思った矢先、バックスクリーンを越えて、ライトスタンド前でやおら車から降りると、そこから歩き始めたのです。おいおい、3塁側は車で通過して、ライトスタンドと1塁側だけ歩くってか!
  これはちょっとひどいなと思いました。
  ライトスタンドからは、たくさんの紙テープが投げ込まれていました。でも、ツレに言わせると「横浜ファンは大人しい。池山(ヤクルト)の引退式はもっと盛り上がった」とのこと。
  横浜球場は外野フェンスが高いからでしょうかね。選手とファンの距離が一定以上には縮まらず、そのあたりが「イマイチ盛り上がりに欠ける」と思わせる材料なのかもしれません。
  最後に、マウンドで選手たちによる胴上げが行われました(写真ピンボケで失礼)。
  とにもかくにも、横浜で12年、マリナーズで4年、数々の伝説を築き上げてくれた佐々木選手、お疲れさまでした。


戻ります。